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研究トピックス

E3ユビキチンリガーゼNedd4-1によるK63ポリユビキチン化により、細胞外アルファシヌクレインの内在化およびエンドソームヘの隔離が促進される

2014/05/16

 

当科の菅野直人助教(現所属:Hertie Institute, Tubingen, Germany)、長谷川隆文講師の研究論文がJBCに受理され、本日Papers in Pressでオンライン公開されました!

 Sugeno N., Hasegawa T.*, et al., K63-linked ubiquitination by E3 Ubiquitin Ligase Nedd4-1 facilitates endosomal sequestration of internalized alpha-synuclein. J Biol Chem 2014, in press. (*corresponding author)

 パーキンソン病の患者脳内ではαシヌクレイン(aS)とよばれるタンパク質が神経細胞内に凝集蓄積し、細胞を傷害することが知られています。最近の研究により、aSは火事が火元から周囲へと延焼していく様に、細胞から細胞へと飛び火することが判ってきました。一方、この現象の背景にある分子機構については未解明の部分が多いのが現状でした。今回の研究では以下の内容を明らかにすることが出来ました。

 

(1) 細胞外モノマー/低分子量オリゴマーaSは細胞膜を貫通し自由に細胞内外を出入りしている。

(2) 細胞質内に入ったaSHECTE3リガーゼNedd4-1によりK63ポリユビキチン化をうけると細胞内にトラップされ、その後エンドソーム・リソソームへ運ばれ分解処理される。

(3) Nedd4-1によるaS認識にはaSC末端に存在するProline rich配列(特にP120, P128)が重要である。

(4) Nedd4-1Lewy小体のコア部分に存在し、同封入体の形成に関与する可能性がある。

 

本研究成果については第55回日本神経学会学術大会で発表させて頂く予定です。

 

 

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