研究トピックス
H46R変異SOD1トランスジェニックラットを用いた機能テストバッテリー、およびフリーラジカルスカベンジャー・エダラボン評価の実行可能性の検討
2011/02/23
Feasibility study for functional test battery of SOD transgenic rat (H46R) and evaluation of edaravone, a free radical scavenger.
Aoki M, Warita H, Mizuno H, Suzuki N, Yuki S, Itoyama Y.
Brain Res. 2011 Jan 26. [Epub ahead of print]
我々は、フリーラジカルスカベンジャーのひとつであるエダラボンの筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルラット(H46R変異SOD1トランスジェニックラット)に対する効果を調べるため、一群の運動機能テストバッテリーを検討した。
エダラボン(1.5 または 3.0 mg/kg/h)または生理食塩水を1日1回ラット静脈内に1時間かけて持続投与しては2日間休薬し、これを繰り返した。生存期間と罹病期間を評価するとともに、コントロール動物の半分が死亡した所定の時点で運動機能を (1) 後肢反射(hind-foot reflex)テスト、(2) 着陸開脚(landing foot-splay)テスト、(3) ロタロッド(rota rod)テスト、(4) 傾斜板(inclined plate)テストによって評価した。
その結果、客観的に判断したある時点(この場合はコントロール動物の半数死亡時)でエダラボン投与群と対照群のALSラットの運動機能を統計学的に比較可能であることが明らかとなった。エダラボンを投与した雄ALSラットは、着陸開脚テストで有意に良好な結果を示した。
本論文に示した評価モデルは ALSラットの運動機能評価に適切と考えられ、エダラボンのALS治療薬としての可能性を調べるためにも有用と考えられる。
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