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研究トピックス

視神経脊髄炎の発症に高CK血症が先行した3症例

2010/05/13

 

○鈴木直輝、高橋利幸(Suzuki N, Takahashi T, Aoki M, Misu T, Konohana S, Okumura T, Takahashi H, Kameya S, Yamaki K, Kumagai T, Fujihara K, Itoyama Y. Neurology. 2010 May 11;74(19):1543-5.)

視神経脊髄炎(NMO)の病態および診断において血清中の抗アクアポリン4抗体(AQP4抗体)が重要であるが、未だAQP4抗体出現やNMOでの病態機序は完全に解明されてはいない。AQP4は中枢神経のみならず骨格筋の筋細胞膜にも発現している。今回、我々は東北大神経内科の過去のAQP4抗体陽性NMO症例733例をレトロスペクティブに検討した結果、NMOの発症に先行し高CK血症を呈した3例を見出した (表)。これらの症例の存在は骨格筋における高CK血症がNMOの発症機転に関与していることを示唆していると考えている。病態仮説として1. 何らかの要因により筋が破壊されAQP4が免疫系に暴露されることによりAQP4抗体の産生が促されNMOの発症に結びついた、2. すでに存在するAQP4抗体が骨格筋細胞膜および中枢神経系の両方を障害しそれぞれ高CK血症とNMOを惹起した、3. 骨格筋の崩壊がBBBの破壊を誘発し中枢神経内へのAQP4抗体流入の引き金となった、などを想定しているが、いずれも今後の症例の蓄積や実験的検証が待たれるところである。

 

 

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