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研究トピックス

【学会だより】欧州・北米多発性硬化症合同学会(ECTRIMS - ACTRIMS joint meeting: MSParis 2017)

2017/11/07

 

10月25-28日フランス・パリで行われた欧州・北米多発性硬化症合同学会(ECTRIMS - ACTRIMS joint meeting: MSParis 2017)に参加しました。例年規模が大きくなっており、今年の参加登録者は10000を超えたそうです。今や世界最大のMS関連学会となっています。

当科からは4演題の発表がありました。
◯10月26日
・高井先生
109
The staging of astrocytopathy in neuromyelitis optics spetrum disorders with aquaporin4-IgG.
・金子先生
P308
Clinical, MRI and laboratory features of myelin oligodendrocyte glicoprotein(MOG)-antibody-associated neurologic disease: a study of 259 cases.
◯10月27日
・小川先生
P852
Autoimmune encephalitis in patients with anti-myelin oligodendrocyte glycoprotein-antibody.
・西山先生
Cerebrospinal fluid-Actin related protein 2/3 complex subunit 4 as an astrocytic foot process damage marker of aquaporin-4-IgG positive neuromyelitis optics spectrum disorders.

それぞれの発表では、様々な国からの研究者と議論することが出来ました。また、当科で大学院を修了され引き続きブラジルにてさらなる飛躍を続けているDouglas K. Sato先生とも再開しました。ECTRIMSのこのところの流れとしては、この3年で抗MOG抗体関連神経疾患に関する報告が急速に広がっていることです。2014年頃に、AQP4-IgG seronegative NMOSDの中に抗MOG抗体の関与が浮上してからわずか4年で急速な広がりを世界に見せている印象です。そのため抗MOG抗体に関するブースは特に注目を浴びているようでした。最終日のHighlightにも当科・金子先生のデータも含め抗MOG抗体に関するデータが取り上げられていました。Highlightでは新規S1P受容体拮抗薬ozanimodやsiponimod, Ibudilastなどが取り上げられ、Late breaking newsではヒトレトロウィルスに対する治療薬GNbAC1の治験結果が発表されておりました。MSやNMOはまだ根治治療と言えるほど研究・治療が発展していませんが、まだまだこの分野では新しい治療法を提供できる可能性を感じました。(西山修平)

 

 

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