研究トピックス
視神経脊髄炎(NMO)における多様なアストロサイトパチー病変と突起崩壊現象(Clasmatodendrosis)
2013/04/15
Presence of six different lesion types suggests diverse mechanisms of tissue injury in neuromyelitis optica.
Misu T, Hoftberger R, Fujihara K, Wimmer I, Takai Y, Nishiyama S, Nakashima I, Konno H, Bradl M, Garzuly F, Itoyama Y, Aoki M, Lassmann H.
Acta Neuropathol. 2013 Apr 12. [Epub ahead of print]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23579868
これまで脳疾患においてアストロサイトが一次性に傷害されると考える人は多くはありませんでした。近年NMOが自己免疫性アストロサイトパチーと考えられるようになりましたが、その他にも脳虚血やてんかん、肝性脳症など、様々な疾患でアストロサイトの重要性が注目されています。Clasmatodendrosisは、古くはCajalが脳虚血や死後脳におけるグリア変化として、肥大化したアストロサイトが足突起の退縮や断裂を伴う現象です。以後、殆ど注目されませんでしたが、最近は虚血やてんかんなどで報告されています。
今回、詳細にNMO病変を観察し、従来から知られてきた補体介在性の病態の他に、かなり多様性があること、Clasmatodendrosis(突起崩壊)を伴う特異な現象が存在することを明らかにしました。中には、非常にアストロサイト選択的傷害を呈し、髄鞘や軸索の障害が殆ど無い病変も認められました。また、本来は細胞表面に存在するAQP4やAQP1が内在化し足突起の変性や細胞死を伴うものもみられました。多様な病態がどのように関連しているのか。今後さらなる検討を要すると思われます(文責 三須)。
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