研究トピックス
日本人多発性硬化症におけるインターフェロンβ中和抗体の測定
2012/08/31
Douglas Kazutoshi Sato, Ichiro Nakashima, Toshiyuki Fukazawa, Yuko Shimizu, Yuji Tomizawa, Kazumasa Yokoyama, Tatsuro Misu, Paul I. Creeke, Rachel Farrell, Gavin Giovannoni, Yasuto Itoyama, Kazuo Fujihara, Masashi Aoki.
Neutralizing Antibodies Are Associated with a Reduction of Interferon-β Efficacy during the Treatment of Japanese Multiple Sclerosis Patients.
The Tohoku Journal of Experimental Medicine Vol. 228 (2012) No. 2 p. 85-92
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjem/228/2/228_85/_article
国内4施設において、IFNβ治療中の計229例のMSを対象に盲検でIFNβ中和抗体を測定した。測定法には、国際的に標準となった測定法で、簡便かつ高感度なルシフェラーゼ・レポータージーン法を用い、その抗体価(TRU)を算出した。採血時に記入された患者臨床情報を基にIFNβ中和抗体の臨床的意義を解析した。
IFNβ-1aの77例中4例(4.2%)、IFNβ-1bの152例中46例(30.3%)でIFNβ中和抗体が陽性であった。治療の変更が推奨される高抗体価の症例は、IFNβ-1a 4例(5.1%)、IFNβ-1b 14例(9.2%)であり、IFNβ-1aは抗体陽性例全例が高抗体価であった。IFNβ治療1年後からIFNβ中和抗体陽性頻度が大幅に上昇する傾向が見られた。IFNβ中和抗体陽性群と陰性群に分けて解析したところ、IFNβ投与開始13-24ヶ月の症例群において、過去1年間の再発回数および造影病変の有無において有意差が認められた。
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