研究トピックス
抗AQP4抗体および抗MOG抗体陽性例における発症時期の季節性
2020/11/18
Seasonal variation of onset in patients with anti-aquaporin-4 antibodies and anti-myelin oligodendrocyte glycoprotein antibody
T Akaishi, J Fujimori, T Takahashi, T Misu, Y Takai, S Nishiyama, K Kaneko, R Ogawa, M Abe, T Ishii, M Aoki, K Fujihara, I Nakashima
J Neuroimmunol. 2020 Oct 29;349:577431.
要旨:
【背景】これまで、抗AQP4抗体と抗MOG抗体それぞれの陽性例における発症時期の季節性はいくつかの国から報告がありますが統一された見解は得られていません。
【方法】東北大学と東北医科薬科大学に通院中のそれぞれの抗体を有する患者さんにおける発症時期の季節を検証しました。
【結果】抗AQP4抗体陽性例では春から夏にかけて発症率が上昇しており、逆に抗MOG抗体陽性例では秋から冬にかけて発症率が上昇していました。
【結語】抗AQP4抗体陽性例に関しては、オーストラリアと中国からの報告と結果が合致する一方、季節性を認めなかった英国からの報告とは合致しませんでした。アジアやオーストラリアの四季を有する特徴的な気候が影響した可能性があります。抗MOG抗体陽性例における発症時期の季節性は他国からの報告がまだ少なく、更なる検証が必要です。
文責 赤石 哲也
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