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研究トピックス

神経疾患における視神経炎の病型分類と臨床像

2016/10/12

 

Different etiologies and prognoses of optic neuritis in demyelinating diseases.
Tetsuya Akaishi, Ichiro Nakashima, Takayuki Takeshita, Kimihiko Kaneko, Shunji Mugikura, Douglas Kazutoshi Sato, Toshiyuki Takahashi, Toru Nakazawa, Masashi Aoki, Kazuo Fujihara. Journal of Neuroimmunology, 2016; 299: 152-157.

神経疾患における視神経炎の病型分類と臨床像

今回の研究で我々は,視神経炎(ON)を,多発性硬化症に伴う「MS-ON」,抗AQP4抗体陽性の視神経脊髄炎に伴う「AQP4-ON」,抗MOG抗体陽性の脱髄疾患に伴う「MOG-ON」,それ以外の「特発性視神経炎」の4つの病態に分類して解析した。 MS-ONは50歳未満の若年で発症し,8割が女性で,視神経MRIでのON病変長は短く,視力予後も良好であった.AQP4-ONはより高齢で発症し,ほぼ全例が女性で,ON病変長は様々だが視力予後は総じて悪く,3割以上の症例で失明に至っていた.MOG-ONは小児から高齢者まで幅広く発症し,男女差はなく,ON病変長は総じて長く,視神経の著明な腫脹・蛇行,視神経周囲の眼窩内組織における炎症所見が特徴的であったが,長期的な視力予後はMS-ONと同等に良好であった.視神経炎における比率は,AQP4-ON,MOG-ON,MS-ON,特発性視神経炎の順に多いと推定された.
MS-ONやMOG-ONであっても,特発性視神経炎と異なり,無治療で経過観察を続ければ再発を繰り返すうちに失明に至る症例が稀に存在するため,上記4疾患を病初期の段階で適切に診断し,適切な再発予防治療を選択することが重要である.(文責:赤石 哲也)

 

 

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