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研究トピックス

【抄読会だより】 2021年10月20日

2021/10/20

 

Cognitive impairment and altered cerebral glucose metabolism in the subacute stage of COVID-19
Jonas A Hosp, et al.
Brain. 2021 May 7;144(4):1263-1276.

【要旨】
SARS-CoV-2の中枢神経系への影響を評価するために、亜急性期のCOVID-19患者を対象に神経学的コホートを実施した。少なくとも一つの新規神経症状を呈した29名の患者で、嗅覚障害を86%、味覚障害を100%、MoCAスコアの重度低下を15%に認め、特に遂行機能、視空間認知、記銘、注意のドメインに低下が目立っていた。FDG-PETにて前頭頭頂葉の新皮質で糖代謝低下、白質・脳幹・小脳・内側側頭葉で代謝増加がみられた。一方、MRI、髄液、剖検脳ではそれらの代謝変化を説明しうる系統的異常は認めなかった。皮質糖代謝の低下は、皮質の直接傷害というよりも、脳幹や白質病理の遠隔効果である可能性が高く、そうであれば可逆的変化が説明しうる。Long COVID-19で一定の確率で報告されている精神・認知機能障害の病態が明らかとなりつつある。

井泉 瑠美子

 

 

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