研究トピックス
抗アクアポリン4抗体陽性NMOSDにおけるシェーグレン症候群の合併頻度と臨床的意義
2021/01/20
Impact of comorbid Sjögren syndrome in anti-aquaporin-4 antibody-positive neuromyelitis optica spectrum disorders.
Akaishi T, Takahashi T, Fujihara K, Misu T, Fujimori J, Takai Y, Nishiyama S, Abe M, Ishii T, Aoki M, Nakashima I.
J Neurol (2021) doi: 10.1007/s00415-020-10377-6. (PMID: 33416998)
要旨:
【背景】抗アクアポリン4(AQP4)抗体陽性の視神経脊髄炎(NMOSD)ではシェーグレン症候群が合併しやすいことが以前から示唆されていました。
【方法】急性の神経症候をきたし、当院において血清中の抗AQP4抗体の判定を行った4,447名の患者さんの情報を分析し、抗AQP4抗体陽性例におけるシェーグレン症候群の合併頻度と臨床経過への影響を調べました。
【結果】抗AQP4抗体を有する症例(1,651名)では有さない症例(2,796名)と比べて、シェーグレン症候群の合併が多いことが分かりました(10〜20% vs. 1〜5%)。シェーグレン症候群の患者さんが急性の中枢神経症候をきたした場合、その多くで抗AQP4抗体が陽性でした。抗AQP4抗体陽性NMOSDにシェーグレン症候群が合併した場合、女性の比率、オリゴクローナルバンドの出現率、再発頻度がより高くなりました。
【結語】抗AQP4抗体陽性NMOSDとシェーグレン症候群は合併しやすく、合併した場合には再発が増える可能性があり、より慎重な管理が望まれます。
文責 赤石 哲也
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