研究トピックス
【抄読会だより】 12月11日
2019/12/17
Resistance to autosomal dominant Alzheimer's disease in an APOE3 Christchurch homozygote: a case report.
Arboleda-Velasquez JF, et al.
Nat Med. 2019 Nov; 25(11): 1680-1683.
doi: 10.1038/s41591-019-0611-3. Epub 2019 Nov 4
【要旨】
早発型認知症を来すPSEN1 (presenilin 1)変異キャリアであるのに、70代になっても認知症を発症しない症例について、全エクソーム解析を実施したところ、ApoE3遺伝子ホモ変異(R136S、Christchurch変異:ApoE3ch)がみつかった。同症例の脳内にAβは大量に蓄積していたが、PHF-Tau蓄積や神経変性はみられなかった。In vitroの実験では、ApoE3chは野生型ApoE3と比べAβ42の凝集を生じにくかった。また、ApoE3chは細胞外Tauの取り込みに関与するheparan sulfate proteoglycanとの結合性が低く、Tau病理の脳内伝播を抑制している可能性があると推察された。
長谷川隆文
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