研究トピックス
【抄読会だより】 2019年4月10日
2019/04/10
Carballo-Carbajal I, Laguna A, Romero-Giménez J, Cuadros T, Bové J, Martinez-Vicente M, Parent A, Gonzalez-Sepulveda M, Peñuelas N, Torra A, Rodríguez-Galván B, Ballabio A, Hasegawa T, Bortolozzi A, Gelpi E and Vila M.
Brain tyrosinase overexpression implicates age-dependent neuromelanin production in Parkinson’s disease pathogenesis. Nature Communications 10 (1): 973.
https://www.nature.com/articles/s41467-019-08858-y
【要旨】
AAVベクターを用いメラニン合成の律速酵素であるチロシナーゼ遺伝子をラット片側中脳に導入し、「黒い」黒質をもつヒト化中脳ラットモデルを作製した。同ラットでは中脳黒質神経細胞に経時的にメラニン色素顆粒の蓄積がみられ、加齢に伴うドパミン神経脱落と運動機能低下が確認された。メラニン含有神経細胞内にはレビー小体様の封入体形成も認めたが、意外にもシヌクレインKOマウスへのチロシナーゼ導入でもp62、Ub陽性の封入体が形成され、神経変性の程度はシヌクレインの有無によって左右されなかった。チロシナーゼ導入細胞では全般的なタンパク質品質管理機構の機能不全・ミトコンドリア障害がみられ、これらはTFEB遺伝子の共発現により部分的に緩和された。
担当:長谷川隆文
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