研究トピックス
FDG-PETで皮下石灰化部位に高集積を認めた抗NXP-2抗体陽性皮膚筋炎の一例
2019/03/16
症例は65歳女性、約1年の経過で近位筋優位の筋力低下が進行し、多発関節痛、顔面紅斑、Gottron’s 徴候が出現、さらに多数の皮下硬結が四肢・体幹に病初期から急速に広がった。
抗NXP-2抗体陽性であり、皮膚生検で、石灰化と液状変性、炎症細胞浸潤を認め、筋生検では炎症細胞浸潤とperifascicular atrophyを認めたことから皮膚筋炎と診断した。
悪性腫瘍検索目的に撮影したFDG-PETでは皮下石灰化部位に高集積を認めた。
成人発症の皮膚筋炎では皮下石灰化の頻度は高くなく、抗NXP-2抗体陽性例や長い罹病期間がリスクとなる。本性例は発症早期から著明な皮下石灰化を合併したことが特徴的で、さらにFDG-PETで高集積を認めたことから、皮下石灰化が炎症により誘発されたことが示唆された。
FDG-PETにより石灰化部位の炎症の程度やその範囲が評価できると考えられた。
FDG-PET detects extensive calcinosis cutis in anti-NXP2 antibody-positive dermatomyositis.
Nakamura N, Izumi R, Hoshi Y, Takai Y, Ono R, Suzuki N, Nagai T, Ishii Y, Ishii T, Harigae H, Okada S, Aiba S, Okiyama N, Fujimoto M, Kuroda H, Tateyama M, Aoki M.
Rheumatology (Oxford). 2019 Mar 16
文責:中村尚子、鈴木直輝
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