研究トピックス
Vernet症候群と肩甲上神経麻痺を呈した神経痛性筋萎縮症
2019/02/07
A case of neuralgic amyotrophy presented Vernet syndrome and suprascapular nerve palsy
Akira Iino, Naoto Sugeno*, Chihiro Namatame, Ayumi Nishiyama, Hiroshi Kuroda, Tatsuro Misu, Masashi Aoki, Neurology and Clinical Neuroscience
First published: 28 December 2018 https://doi.org/10.1111/ncn3.12264
高次修練で学んでいた飯野新先生の症例報告です。第IX, X, XI脳神経障害はVernet症候群と呼ばれ、頸静脈孔近傍の病変による機械的圧迫等によるものが比較的よく知られています。本症例では同側の棘上筋・棘下筋にも筋力低下がみられ、肩甲上神経麻痺を合併していました。Vernet症候群、肩甲上神経麻痺ともに、疼痛の後の発症、免疫学的療法が効果を示したことから神経痛性筋萎縮症によると考えました。下位脳神経麻痺を伴う神経痛性筋萎縮症はこれまでに少数例が報告されています。極めて興味深いことにこれらの多くは本症例同様に肩甲上神経障害を伴っていました。神経痛性筋萎縮症の病態は依然不明ですが、これらの症例には共通した発症機構が存在している可能性があるものと推察しています。
責任著者:菅野直人
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